震災の記憶を誰かのために記録する。

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大学4回生の時、神戸で震災にあいました。たまたま運が良く命を落とさずにすみました。誰が亡くなっていてもおかしくないほどの自然災害です。後日部屋の整理に行きましたが、ベランダの前の木造住宅は、崩れ去り、花が添えられていました。

震災の記憶を記録する。

私の体験など、いまだに苦労されている方などと比べるに値しませんが、もしかしたら、自分の経験したことを記録することで、誰かの役に立つかもしれません。

そもそも、あまりの衝撃だったせいか、断片的にしか、その時の記憶がありません。それですら、少しづつ失われていきます。ブログは、自分の記録を残すツールでもあります。断片的な記憶を呼び起こしてみました。

目覚まし時計が鳴る前に叩き起こされる。

当時は、被害が大きかった地区のワンルームマンションで一人暮らしでした。次の日は、大学の試験だったので、目覚まし時計をセットしていましたが、それより先に、下からハンマーで叩かれたような振動とそのあとのけたたましい警報音の中、布団から出ました。

普段はコンタクトですが、当然そんなものはどこにあるかもわからず、状況がつかめないまま、革靴とスニーカーを片方ずつ履いて、非常警報が鳴る中、なにも持たず外に出ました。とんでもないことが起きたことだけは理解できました。

眼鏡なしで暗闇を歩く恐怖

外に出ても状況はつかめません。マンションから悲鳴があがり、火が燃えているのがわかりました。そもそも目が悪いのに、コンタクトも眼鏡もない、真っ暗の状況は恐怖です。爆弾でも落とされたと思いました。車が全力で走り去って行ったのをなぜか覚えています。

少しして近くの小学校に向かい歩き出しましたが、とにかくまわりがよく見えません。前に進もうとすると何かあるので、何かと見ると電柱が倒れて道を遮っていました。近くで、ぺしゃんこになった建物から、中にいる人を救出している方の叫び声が聞こえました。眼鏡やコンタクトがないということは、こういう時ものすごくハンディです。自分の無力を感じました。震災後しばらくは、眼鏡をしたまま寝ていました。

小学校のグランドで、何をするでもなく立っていると、おじさんがジャンバーを貸してくれました。

また、近くにいた女性が飼っているカメを助けに行きたいので、ついてきてほしいというので、少し時間が経ってから、しかし余震は続く中、マンションまでカメの救出に向かいました。カメはいましたが、容器が割れていました。自分の手もそれらをさわって汚れましたが、水は出ません。手の臭いは取れませんでした。

トイレで水が出ないとどうなるか?

その日はとても風が強く寒かったのを覚えています。おしっこをしようと小学校内のトイレに入りましたが、和式の便器がとんでもない光景でした。便が山盛りになっていました。水が流れないので、こうなってしまうのです。でも出すしかありません。

グランドの上空ではヘリコブターが飛んでいました。どこからか持ってきたのか、誰かが牛乳をみんなに配ってくれていました。人の優しさを感じながらも、寒くて飲めないなあと思ったことを覚えています。

余震が続く。

そのあとしばらくして、とりあえず財布と眼鏡を取りに部屋に戻りました。お金と視力です。マンション横の外車ショールームの2階から、ガラスから飛び出しそうになっている外車が見えました。この間も小さい余震は続いていたので、これも恐怖でした。

公衆電話に長蛇の列

部屋は散らかり、テレビは端から端まで飛んでいました。とりあえず貴重品と眼鏡は見つかりました。マンション下の公衆電話は長蛇の列でした。それでも、家族に無事を伝えるため、列に並びました。結局、大阪の実家には回線状況が悪くつながらず、奈良の田舎にはつながり、今は亡きおばあちゃんに無事を伝えることは出来ました。

そのあとの記憶も定かではないのですが、マンションの前で、今日はどうしようかと考えながら立っていると、運よく車が無事だった人が、それで和歌山に帰るというので、ありがたいことに乗せてもらえることになり、無事に実家までたどり着くことができました。そこらじゅうで建物が倒壊し、大渋滞のため、神戸から大阪の実家まで何時間もかかりました。

人生には、防げないことも起こりえる。

この体験は、何かしら自分の人生に影響を与えているはずです。住んでいたのは、賃貸マンションだったので、解約すればそれで済みますが、そうでないと大変だったはずです。また、いつでも人は死ぬ可能性があることを突き付けられました。

今日は、震災から20年です。子供を連れ近所の寺で、静かに手を合わせようと思います。

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